土壌成分分析について

土壌成分分析の目的

我々は普段特に意識することなく、その土地の土壌の上で生活を営んでいます。
実はその土壌を構成する成分は、土地ごとに様々であり、また地下水や地殻変動の影響を受け、時間と共に変化することもあります。
成分に関しても多くの物質が関わっており、ある土地にはほとんどない物質や養分が、別のある土地には大量に含有している、といった事例も珍しくはありません。

したがって土壌の成分の凡例のようなものは存在せず、ある土壌の構成要素は、基本的には個別に調べなければ、はっきりとしたことが分からないという事が多くなります。土壌の成分分析は、この土壌の構成要素を把握するための一つの手段となります。
土壌の成分を把握することは、いくつかの点において非常に重要と言えます。
例えば、以下のようなものです。

土壌に含まれる有害物質の有無を把握する

土壌に含まれている物質の中には、我々の健康を脅かすものも存在します。
もし有害物質の存在を知らずに、その土壌を誤って摂取してしまったり、その土壌の影響を受けて汚染された地下水を摂取してしまったりした場合、健康被害を受ける可能性があります。
健康で安全な生活を営む為に、生活基盤となる土地の安全性を確認することは重要です。

土壌に含まれる栄養素を把握する

農業などで農作物を育成する場合、土地が保有する栄養素を把握することは重要です。
どんな栄養素があり、どんな栄養素が足りないのかを把握することで、堆肥の適正な施肥量を決めることができます。作物の作付け・栽培・生育・収穫の安定を実現するためには欠かすことのできない要素です。
時には栄養素を加えるのではなく、抑えることも検討していきます。

例えば、リン酸や加里(カリウム)などが必要以上に蓄積された圃場は農作物の成長に悪影響を与え、施肥の効果を得られない可能性があります。
必要な施肥資材を正確に知ることは無駄なコストを削減することにもつながります。

土壌の物理的な性質を把握する

特に土地の造成や建築物を建てる際に、その土地の物理的性質を把握することは必須となります。
もし脆く崩れやすい土地に、なんの対策もなく変化を加えた場合、大きな災害に繋がる可能性もあるためです。水分を保持しやすいかどうか、構成する土や砂の粒径はどの程度か、どの程度の衝撃で変化が起きるか、などといったことを、物理的な試験を通して調べていきます。
また農作物を育成する場合も、土壌の物理的性質が影響することがあるため、栄養素と共に調べることがあります。

土壌成分分析の価格・料金・依頼についてはこちらのページをご覧ください。

土壌成分分析の種類

土壌成分分析は、前項で説明しましたように、目的によって実施すべき内容が変ってきます。

有害物質の有無の把握を目的とした土壌分析

土壌分析.comでは、こちらの有害物質についての分析を得意としております。採取した土壌等を試料とし、法令に定められた有害物質の濃度を、法令で定められた方法で計量・測定します。

詳しくはこちらをご覧ください

主な分析項目は以下のようになります。

第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)

  • クロロエチレン
  • 四塩化炭素
  • 1,2-ジクロロエタン
  • 1,1-ジクロロエチレン
  • 1,2-ジクロロエチレン
  • 1,3-ジクロロプロペン
  • ジクロロメタン
  • テトラクロロエチレン
  • 1,1,1-トリクロロエタン
  • 1,1,2-トリクロロエタン
  • トリクロロエチレン
  • ベンゼン

第二種種特定有害物質(重金属等)

  • カドミウム及びその化合物
  • 六価クロム化合物
  • シアン化合物
  • 水銀及びその化合物
  • アルキル水銀化合物
  • セレン及びその化合物
  • 鉛及びその化合物
  • 砒素及びその化合物
  • ふっ素及びその化合物
  • ほう素及びその化合物

第三種特定有害物質(農薬等)

  • シマジン
  • チオベンカルブ
  • チウラム
  • ポリ塩化ビフェニル(PCB)
  • 有機りん化合物

施肥などを目的とした土壌診断

農地への施肥を目的とした土壌診断や、肥料(無機/有機汚泥等の廃棄物再利用の肥料を含む)を製造・利用する際には、以下のような土壌成分分析を実施します。

一般項目

  • 水素イオン濃度(pH)
  • 電気伝導率(EC)
  • 陽イオン交換容量(CEC)
  • 塩基飽和度(加里・苦土・石灰)
  • 交換性加里(カリウム)
  • 交換性苦土(マグネシウム)
  • 交換性石灰(カルシウム)
  • 苦土(マグネシウム)・加里(カリウム)比
  • 石灰(カルシウム)・苦土(マグネシウム)比
  • リン酸(リン酸吸収係数・有効態リン酸)
  • 腐植
  • 全窒素
  • 硝酸態窒素
  • アンモニア態窒素
  • 有効態ケイ酸
  • 灰分 …など

微量要素項目・有害物質項目

  • マンガン(水溶性・可溶性・ク溶性)
  • 亜鉛(水溶性・可溶性・ク溶性)
  • 銅(水溶性・可溶性・ク溶性)
  • 鉄(水溶性・可溶性・ク溶性)
  • ホウ素(水溶性・可溶性・ク溶性)
  • モリブデン
  • 塩素
  • 有機炭素
  • コバルト
  • アルミニウム
  • ひ素
  • カドミウム
  • 水銀
  • ニッケル
  • クロム
  • ビウレット性窒素
  • スルファミン酸
  • チオシアン酸アンモニウム …など

土壌の物性調査

土壌の物理的な性質を調べる試験は、採取した土壌を試料とするほか、現地にて直接調査する場合もあります。

  • 粒度・粒度分布
  • 土粒子の密度
  • 含水比
  • 比重
  • 透水試験
  • 突固め試験
  • 強熱減量試験

圧密試験 …など

土壌汚染対策法(環告18・19号)、第二種特定有害物質(重金属類)10項目などの成分分析について、ぜひご相談ください。
詳しくはこちらをご覧ください

土壌成分分析のための検体(サンプル)採取方法

土壌の分析は、土壌採取(サンプリング)から始まります。
一部の分析では、採取の仕方によって結果が左右されることもあります。そのため、実施する分析や試験に合わせて、適切な方法で試料を採取し管理する必要があります。

もし土壌採取を自身で実施する場合は、試料持ち込み先の機関に採取方法をしっかりと確認する方がよいでしょう。
弊社でよく実施する土壌環境基準や土壌汚染対策法に関わる分析・採取方法などについて、こちらで詳しく解説しております。