【土壌分析】排水基準の改正(大腸菌数)について【2025年4月施行】

2024年4月12日のコラムにて、一般排水基準の改正について取り上げています。2024年4月施行分は、六価クロムの基準値改正が主だった内容でしたので、その改正について触れました。

前回:「六価クロムに関する基準値(排水基準)の改正【2024年4月施行】

こちらの一般排水基準の改正ですが、2025年4月より施行されるものもあり、主に大腸菌に関わる改正となります。まもなく施行となる内容ですので、こちらの内容にも触れておきたいと思います。

排水基準の改正について


項目基準値
旧 排水基準大腸菌群数3000個/㎤(日間平均)
新 排水基準大腸菌800 CFU/mL

既存の「大腸菌群数」から2025年4月より「大腸菌数」へと分析項目が改正されます。六価クロムと大きく違うのは、基準値のみではなく、項目それ自体が入れ替わり、分析方法・基準値が新たに制定される点となります。

基準値としては、大腸菌群数の「3000個/㎤(日間平均)」から、大腸菌数の「800 CFU/mL」へと改正されています。

大腸菌群(数)は、糞便にのみ存在する菌種の他に、土壌や水中を生息地とする菌種や非糞便性の菌種も含めたものの総称となります。対して大腸菌(数)は、糞便にのみ存在する菌種だけを指します。そもそもこれらは、糞便性の汚染の指標として利用されていますので、本来は糞便にのみ存在する菌種の大腸菌の方が、指標としては適切です。しかし大腸菌(数)を簡便且つ正確に測定する方法がなかったため、大腸菌群(数)を指標としてきました。

しかし近年、新たに大腸菌(数)を簡便に測定する方法が確立しました。そこで糞便性の汚染の指標としてより適切な大腸菌(数)を新たな項目とする、というのが本改正の趣旨となります。

排水等の分析にて、定期的に大腸菌群数の分析を実施している場合、2025年4月より分析内容の見直しが必要になるかもしれません。自社の排水について一度確認しておくことをお勧めいたします。

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