【土壌分析】溶出試験と含有試験の違いについて 溶出試験 その2
前回は溶出試験の考え方や目的について解説しました。今回は分析までに実際にどのような操作を行うのか紹介します。
含有試験の考え方や目的については含有試験についてをご覧ください。
土壌分析における溶出試験について
土壌の溶出試験については、主に土壌環境基準や土壌汚染対策法にて定められています。
土壌環境基準 | H3年 環境庁告示第46号(環告46号)にて規定 |
土壌汚染対策法 | H15年 環境省告示第18号(環告18号)にて規定 |
環告18号では溶出の前処理について「環告46号の手順で実施」することを規定していますので、溶出操作に関しては、環告46号と環告18号は同様といえます。
溶出試験の手順について
専門的な条件を省略し簡略的に説明しますと、概ね以下のような手順となります。
- 採取した検体を風乾し、水分を飛ばす
- 検体から小石や木片等を取り除き、2mm目のふるいを通過させる
- 検体と溶媒(水)を重量体積比10%の割合で同じ容器に入れ、試料液を作成する
- 試料液の入った容器を常温常圧で6時間、連続して水平に振とうする
- 振とう後、混ざった試料液をろ過し、検液とする
- 作成した検液を、各項目の分析方法にて分析する
①~②は土壌検体の共通の前処理、③~⑤が溶出操作、⑥が実際の分析となります。前回説明しましたように、溶出試験は対象物質が水にどれだけ溶け出すかを調べますので、検液の溶媒は「水」となります。一部の揮発性の項目は、空気に触れることで性状が変化するため、風乾を実施せず、溶出操作も特殊なものになります。そのため1検体の分析であっても、複数の前処理・溶出操作を行うこともあります。
以上のように溶出試験では、検体と水を混合振とうした後の液体を、実際に分析します。
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