【土壌分析】法令の話:土壌汚染対策法 編 ②-土壌汚染対策法について

今回は、土壌汚染対策法(土対法)について、の2回目となります。

前回は、土壌汚染対策法(土対法)、土壌調査の流れについて解説しました。

前回:【土壌分析】法令の話:土壌汚染対策法 編 ①-土壌汚染対策法について

なお土対法準拠の分析が必要な場合は、「土壌汚染対策法(環告18・19号) 全項目検査」のページにて分析項目等を取り上げていますので、そちらをご確認ください。

【土壌分析.com】土壌汚染対策法(環告18・19号)全項目検査

土壌汚染対策法に基づく土壌調査について

前回、土対法に基づく土壌調査は大まかに以下のように進むと説明しました。

  • 土壌調査のきっかけ
  • 地歴調査
  • 汚染の度合いの策定及び土地の区画分け
  • 分析項目の選定・土壌のサンプリング
  • 土壌分析
  • 分析結果のとりまとめ、状況の報告
  • 汚染が確認された場合、その後の管理・監視

前回は①~③について触れましたので、今回は④について詳しくみていきます。

④ 分析項目の選定・土壌のサンプリング について

土地の区画分けが完了し、採取点が決まりましたら、次は分析項目の選定を行います。採取前に分析項目を確定させる理由は、分析する項目によって採取すべき点や深さ、実際の採取の方法が異なるためです。土対法に定められている有害物質項目は、大きく3種類に分類されます。

・第一種特定有害物質

揮発性の有害物質(VOC)群のカテゴリーとなり、気体としても存在しうることが最大の特徴です。具体的には以下の12項目となります。

1.クロロエチレン
2.四塩化炭素
3.1,2-ジクロロエタン
4.1,1-ジクロロエチレン
5.1,2-ジクロロエチレン
6.1,3-ジクロロプロペン

7.ジクロロメタン
8.テトラクロロエチレン
9.1,1,1-トリクロロエタン
10.1,1,2-トリクロロエタン
11.トリクロロエチレン
12.ベンゼン

第一種項目のみ、まず土壌中のガス調査を実施し、濃度を測定します。ガス調査にて基準値を超える項目があった場合、ボーリングによる土壌採取を行い、溶出試験を実施します。
ただし、条件付きでガス調査を省略し、最初から溶出試験を実施することも認められているため、案件によっては溶出試験のみを実施する場合もあります。自主調査の場合も、ガス調査は実施せず溶出試験の結果のみで汚染の度合いを判断することも多いです。

また第一種項目の一部は、分解等の過程で別の有害物質を生成する(おそれのある)特性を持つものがあります。これらの生成される物質は分解生成物と呼ばれ、分解生成物がある第一種項目が検出される疑いがある場合は、その分解生成物についても調査・分析の対象とする必要があります。
各項目の分解生成物は以下のようになります。

項目分解生成物
四塩化炭素ジクロロメタン
1,1-ジクロロエチレンクロロエチレン
1,2-ジクロロエチレンクロロエチレン
テトラクロロエチレンクロロエチレン、1,1-ジクロロエチレン、 1,2-ジクロロエチレン、トリクロロエチレン
1,1,1-トリクロロエタンクロロエチレン、1,1-ジクロロエチレン
1,1,2-トリクロロエタンクロロエチレン、1,2-ジクロロエタン 1,1-ジクロロエチレン、1,2-ジクロロエチレン
トリクロロエチレンクロロエチレン、1,1-ジクロロエチレン、 1,2-ジクロロエチレン

例えば、四塩化炭素を使用していた履歴がある場合、調査項目として四塩化炭素の他に、ジクロロメタンも加わる可能性が高くなります。

第一種項目は揮発する性質のため、採取の際にも注意すべき点が多く、採取後は冷暗所にて保管、できるだけ速く分析することが望ましいとされています。また溶出試験の前処理も第二種・第三種項目とは異なるなど、何かと他のカテゴリーとは扱いが違うカテゴリーとなります。

・第二種特定有害物質

重金属類の有害物質のカテゴリーとなります。第二種項目のみ、溶出の基準の他に含有の基準が規定されており、土対法準拠の含有試験という場合、この第二種項目の分析を指します。具体的には溶出試験の場合は以下の10項目、含有試験の場合は以下より「17.アルキル水銀化合物」を除いた9項目となります。

13.カドミウム及びその化合物
14.六価クロム化合物
15.シアン化合物
16.水銀及びその化合物
17.アルキル水銀化合物
18.セレン及びその化合物

19.鉛及びその化合物
20.砒素及びその化合物
21.ふっ素及びその化合物
22.ほう素及びその化合物

第二種項目の分析検体となる土壌の採取方法は以下のようになります。

  • 地表から50cmの深さまで掘る
  • 表層から5cmまでの土壌(上層土壌)と5cm~50cmまでの土壌(下層土壌)をそれぞれ別に採取
  • 上層土壌と下層土壌とを同じ重量にて混合し、1検体とする(等量混合)

10m格子区画の場合、各点ごとに1検体として採取します。30m格子区画の場合は、10m格子の9マスのうち、5地点をそれぞれ採取し、それらを等量混合したものを1検体として扱います(5地点均等混合法)。深さは50cmの考え方がベースとなりますが、汚染の深度が明らかになっている場合など、特定の深さのみで採取を実施する場合もあります。

・第三種特定有害物質

かつて農薬等に含まれていた背景から、農薬系の有害物質と称されることもありますが、現在の農薬等には含まれているはずのない、非常に有害性の強い物質群のカテゴリーです。具体的には以下の5項目となります。

23.シマジン
24.チオベンカルブ
25.チウラム
26.ポリ塩化ビフェニル(PCB)
27.有機リン化合物

第三種項目の検体土壌の採取方法は、第二種項目と同様となります。

最後に

今回は、土壌分析を行う上で最も代表的と言える法律、土壌汚染対策法についての二つ目の解説となります。
続きが完成し次第またコラムをアップさせていただきますので、ぜひご覧ください。

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