【土壌分析】法令の話:土壌汚染対策法 編 ③-土壌分析について

今回は、土壌汚染対策法(土対法)について、の3回目となります。
前回は、土壌調査の分析項目の選定とサンプリングについて解説しました。

前回:【土壌分析】法令の話:土壌汚染対策法 編 ②-分析項目の選定について
前前回:【土壌分析】法令の話:土壌汚染対策法 編 ①-土壌汚染対策法について

なお土対法準拠の分析が必要な場合は、「土壌汚染対策法(環告18・19号) 全項目検査」のページにて分析項目等を取り上げていますので、そちらをご確認ください。

【土壌分析.com】土壌汚染対策法(環告18・19号)全項目検査

土壌汚染対策法に基づく土壌調査について

土対法に基づく土壌調査は大まかに以下のように進むとし、各項について説明してきました。

  • 土壌調査のきっかけ
  • 地歴調査
  • 汚染の度合いの策定及び土地の区画分け
  • 分析項目の選定・土壌のサンプリング
  • 土壌分析
  • 分析結果のとりまとめ、状況の報告
  • 汚染が確認された場合、その後の管理・監視

これまでのコラムで④までは触れましたので、今回は⑤以降について詳しくみていきます。

⑤~⑥ 土壌分析と結果の取りまとめについて

採取した土壌は、各項目に適した前処理を実施し、分析します。
土対法の各項目の基準値は、土対法施行規則の別表にて定められていますが、分析方法については別の法令にて定められています。

  • 土対法 溶出試験:H15年環境省告示第18号=環告18号
  • 土対法 含有試験:H15年環境省告示第19号=環告19号

それぞれ告示の番号を用いて、「環告18号試験」「環告18号基準」「環告19号試験」「環告19号基準」などと呼称されることも多いです。ちなみに環告46号は土壌環境基準を指しますので、環告46号の名称が出てきた場合は、土対法ではなく土壌環境基準に関わる内容の可能性が高くなります。

実際にどのような分析が行われているかは、以下のページにて解説しています。興味がある方は合わせてご一読ください。

土壌分析方法(採取方法・分析方法)について – 土壌分析.com

分析の結果は、土壌汚染の状況を把握する重要な情報となりますが、この結果数値だけを以って汚染状況の全容を把握することはできません。①から⑤までの調査から得られた全ての情報を総括し、より詳細な調査結果を導いていきます。

自主調査の場合、こちらの情報の取りまとめを自身で行わななければならない可能性もあります。その場合、調査依頼者も調査の過程で得た情報を正しく把握・利用することが求められますので注意が必要です。

⑦ 汚染が確認された場合、その後の管理・監視

土対法に基づく調査命令が出された案件で、調査の結果、土壌の汚染が認められる場合、都道府県知事は汚染が認められた土地を、特別な対象区域として指定します。区域には以下の2種類があります。

要措置区域

土壌の汚染が認められる土地のうち、何らかの形で「人の健康被害が生じるおそれのある」と認められる場合は、要措置区域に指定されます。「人の健康被害が生じるおそれのある」条件については、複数の基準が設けられており、その基準をもとに判断されます。形質変更は原則禁止となります。
要措置区域は現に健康被害が発生するおそれがあるため、都道府県知事は土地所有者等に対して、汚染除去等の計画の提出や、措置の実行についての報告を求めます。

形質変更時要届出区域

土壌の汚染が認められる土地のうち、人への土壌汚染の摂取経路がなく、「人の健康被害が生じるおそれのない」とされる場合は、形質変更時要届出区域に指定されます。
健康被害のリスクがないと判断されているため、汚染の除去等の措置も必須ではありません。ただし、その土地の形質を変更する場合、都道府県知事への届け出が必要となります。

都道府県知事の区域指定は、基本的に土対法の正式な調査命令の結果のもとに出されますが、自主調査の案件においても、区域指定の申請をすることは可能です。申請が受理されれば、同様に指定区域として扱われることとなります。申請には以下のような条件があります。

  • 公正かつ公定法により実施された調査結果であること
  • 申請を行おうとする土地に複数の所有者がいる場合、その全員の合意を得ていること

区域指定された土地は、汚染の除去等が認められた場合は、その指定を解除されます。
また要措置区域において、汚染の除去はなされずとも、汚染の摂取経路が遮断され健康被害のおそれがなくなったと認められる場合は、形質変更時要届出区域へと指定を改める場合もあります。

最後に

調査結果の扱いや土地の指定措置・管理については、都道府県ごとに独自の決まりを設けている場合もあります。
実際にはその土地の所在地である都道府県の条例等も確認し、そちらの条件も満たす形で対応していく必要があります。
「土対法の規定に則っていれば全て安心」とはならない可能性もありますので、注意が必要です。

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